• 優秀賞
  • author KKさん

『小さなやさしさ』

いつどこで

去年の冬。下の子を妊娠中に、上の子を病院に連れて行き、その帰りに寄ったスーパーでの出来事。

エピソード本文

病院の帰りによったスーパーで、当時1歳の子どもをカートに座らせて買い物をしていました。

途中で子どもの機嫌が悪くなり、急いでレジに向かうも、夕飯時でレジは混雑していました。会計待ちの列に並ぶも、子どもの機嫌はどんどん悪くなり、とうとうカートから抜け出して抱っこすることに。その際に、子どものはいていた靴が片方抜けてしまい、下に落としてしまいました。

子どもは泣いてしがみついてくるけど、これから会計前の商品が入ったカートを押して会計もしないといけない。靴も拾って履かせないといけない。会計した後も、エコバッグに商品を詰めないといけない。

子供を落ち着かせることだけでも必死なのに、この後1人でしなければいけないことが多過ぎて、私は完全にパニック状態でした。

心なしか、レジに並んでいる人たちが大声で泣いている子どもと私を見ているような冷ややかな視線も感じるような…。

どうしよう…とテンパっていた時、後ろ並んできた女性が、落ちていた子どもの靴をひろい、「私が代わりに抱っこしていい?」と声を掛けてくれました。

おかげさまでお会計を無事終えることが出来ました。

しかし、会計は済みましたが、エコバッグに商品を詰めなければいけません。子どもは不機嫌なのでカートに座ろうとしません。

隣のレジでその様子を見ていた小学生の女の子が「抱っこしていい?」といって、子供を喜んで抱っこしてくれました。

そこに隣のレジで会計を終えた、女の子のお父さんも寄ってきて、女の子に向かって「赤ちゃん、落とすなよー」と心配そうにされていましたが、嫌な顔せずに私が袋詰めしているのを一緒に待ってくれました。

その後、すぐ近くの薬局で子どもの薬をもらいに行く用事があったので、女の子に「ありがとう、薬局に行く用事があるから」とお礼を言って、子どもを抱き上げようとしました。

すると、女の子が「薬局まで、一緒に行くよ!」と行って、私が薬の説明をうけている間も、抱っこして子どもをあやして待っていてくれました。

女の子のお父さんも一緒に子どもを見ていて下さったので、安心して薬を受け取ることが出来ました。

最後は薬局を出たところで、私は何度もお礼を言いましたが、その親子さんは「バイバイ」と爽やかに帰っていかれました。

そのときに感じたこと

今回、私1人ではどうしようもない状況に陥った時に、周りの人たちが助け舟を出してくれたのでなんとかなったのだと思います!

困っていても自分から「手伝ってもらえますか?」とは言いにくいので、周りの人たちが自ら申し出て、スマートに助けてくれたことが嬉しくて泣きそうになりました。

そして、自分よりも若くて小さい小学生の女の子に助けられたことから、大人じゃないと手助けは出来ないということはなく、子どもでも誰かの助けになることはあるんだなと思えました。

自分の子どもたちも、この女の子のように人に優しくできる子に成長してほしいと思いました。

そして、今度は自分が誰かのために動ける人になろうと思える出来事でした。

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